NSレコード方式とは
SafariブラウザのITPを始めとしたトラッキング防止機能に対応するため、DLPOではCNAMEを利用したトラッキング方式(CNAME方式)を提供しておりました。しかし、iOS14.2に搭載されたCNAME規制により、CNAMEを設定していただいた場合でもCookieの保管期間が7日間に制限されてしまいました。
そこで、NSレコードを利用した新たなトラッキング方式を提供いたします。NSレコードでの計測は、お客様サイト同様httpヘッダーによるCookie付与が可能であり、ITP1.0以降のCookie制御の影響に加え、CNAME規制を回避することができます。
※2023年3月のiOS16.4へのアップデートにより、NSレコード方式はCookie保存期間制限の対象となりました。CNAME同様、NSレコード方式でのCookieの有効期間は7日間となりました。
NSレコード方式の仕組み
NSレコードは、ドメインの管理を委託するDNSサーバーを指定することができます。
お客様サイトに計測用サブドメインを作成し、弊社DNSサーバーへ管理を委託するNSレコードを設定いただくことで、計測用サブドメインとDLPOサーバーを紐づけることができます。これにより、お客様サイト同様httpヘッダーによるCookie付与が可能となります。
図1:NSレコード方式の仕組み
DLPOでの制約事項及びご利用にあたっての注意事項
【DLPOでの制約事項】
- お客様のドメインを利用いたしますが、発行いただいた計測用ドメインでは、DLPOによる計測のみを利用し、その他の目的では利用いたしません。
- 弊社で設定するサブドメインはSSL証明書発行のために必要なサブドメインのみで、それ以外のサブドメインは設定いたしません。
- DLPOをご解約いただいた際、NSレコード以下の設定は削除し、弊社内で設定が行えないようにいたします。
【ご利用にあたっての注意事項】
- NSレコード方式は、ITP機能を搭載したsafari端末においてのみ適応されます。
設定手順
1.事前準備
NSレコード方式の設定は、計測対象サイトのドメインを管理しているDNSサーバーに対して、NSレコードをご設定いただく必要がございます。DNSサーバーへ設定いただく際は、設定期限がありますので、事前に計測サイトのシステム担当者様にご相談ください。
図2-1:設定フェーズ
※DNSへの設定完了からAWSでの検知まで、設定のタイミングによっては最大4日程要することがございます。
2.管理画面での計測用DNS設定情報を発行
ページ設定>計測用DNS設定より、「計測用DNS設定を追加」をクリックします。
図2-2:計測用DNS設定
種類は「NS」を選択、ドメインに任意の計測用ドメイン名を入力し、「追加」をクリックします。
図2-3:計測用DNS設定追加画面
【ドメインに使用可能な文字について】
- 半角英数字,ハイフン(-),ドット(.)
- 255文字以下
【計測用ドメイン名を検討する際のご注意点について】
- 計測用ドメイン名は配信したいサイトのサブドメイン(example.jpのサイトで使用する場合はtest.example.jpなど)を指定してください。
- 既に該当ドメインの他サービスで利用しているサブドメインはご利用できません。
- 別々のドメインに同じ計測用ドメイン名の文字列をご登録いただくことは可能です。
- 同じサイトを複数のアカウントで計測されている場合、アカウントごとに別々の計測用ドメイン名を登録していただく必要がございます。
※実際の文字列については、計測サイトのシステム担当者様にご相談ください。
DNSサーバーに登録するNSレコードが発行されます。
図2-4:計測用DNS設定登録完了
もし、登録完了画面を一度閉じた場合は、計測用DNS設定の一覧画面に戻っていただき、「詳細」よりNSレコードの表示が可能です。
図2-5:計測用DNS設定一覧
3.DNSサーバーにNSレコードを登録
お客様のDNSサーバーに「2.管理画面でのDNS設定情報を発行」で発行したNSレコードを登録してください。NSレコードは、1つのサブドメインに対しValueは4つ存在します。DNSサーバーへの登録方法はお客様により異なりますので、システム担当者様にご相談ください。
図2-6:NSレコード設定
【注意事項】
- DLPOで発行されたNSレコードは、DNSサーバーへ新規でのレコード追加が必要です。
既存のレコードを変更してしまった場合、サイト表示できない等の恐れがございますので、
必ず新規で追加いただくようお気を付けください。 - 間違えて登録されたなど修正が発生する場合、TTL(Time To Live)の設定により、一定期間変更前の値がキャッシュされてしまう可能性がございます。
ご変更する際には、TTLのご設定を最短の時間にしていただく等お気を付けください。
一定期間変更前の値がキャッシュされてしまいDNSの浸透に時間がかかる可能性がございます。
4.管理画面で設定完了のご確認
DNSサーバーの設定が行われると、AWS・DLPOが自動的にDNSの設定を検知します。正常に設定できた場合はNSレコード方式での計測が開始されます。
DNS登録の内容が誤っている場合、計測用DNS設定画面のステータスに「DNS検証失敗」と表示されます。エラーが表示された場合は、一度設定を削除して再度「2.管理画面でのDNS設定情報を発行」から設定を行ってください。
図3-7:計測用DNS設定一覧
【ステータス内容】
表1:ステータス一覧
ステータス | 内容 |
---|---|
利用可能 | DNS設定が完了し、NSレコード方式で計測をしている状態です。 ※この状態でDNSサーバー側の設定解除をした場合、「ITPsafari」からのアクセスは計測ができなくなりますのでお気を付けください。 |
DNS確認待ち | 管理画面上でNSレコード発行後、DNSサーバーの設定・認証を待っている状態です。 ※発行から30日以内に設定してください。 |
DNS検証失敗 | 以下の理由でDNS検証失敗となっている状態です。 ・DNS登録はされたが、設定内容が誤っていた |
配信DNS疎通待ち/配信準備中 | DNSの登録確認が完了し、NSレコード方式での計測準備をしている状態です。計測用DNS設定が正しく行われている場合、24時間程度で完了しますが、TTLの設定によっては更にかかる場合もございます。 |
※「DNS検証失敗」と表示されている場合は対象ドメインを「詳細>削除」の上、再設定をしてください。